
2022年度から始まった22-24中期経営計画(2022 ~24年度の3カ年中期経営計画)が終了しました。お 客様の信頼に応え、期待を超えるべく「品質と安定生 産に裏打ちされた信頼と安心をグローバルでお客様に 提供する」を軸とした10年ビジネスプランの戦略が実 りつつあり、2024年度は多くのお客様から品質関連 の賞を受賞することができました。また、中国国内シェア1位の自動車メーカーであるBYDのプラグインハイブリッド車に搭載されるエンジン部品を1次サプライヤーから受注。品質と安定納入をご評価いただき、 同製品を別のサプライヤー数社からも受注するなどの成果がでています。
売上高は、円安効果もあり、前期比46億円増収の1,629億円となりました。収益面においては、少ない設備・最適な人員数で生産するリーンな生産体制を推進し、営業利益は前期比10億円増益の33億円となりました。一方で、アメリカ工場においては労務費と離職率の高止まりや生産性悪化が原因で、約30億円の減損損失を計上したことにより、当期純利益を確保することができませんでした。アメリカ工場の回復ならびに黒字化を目下の最重要事項として全社を挙げて鋭意活動中です。株主の皆様には多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。
▸25-27中期経営計画の取り組み
2025年度を迎え新たな中期経営計画「Reinvent Ahresty~未来に向けてアーレスティを再発明する」が始まりました。アーレスティのものづくりの「継承」と「再構築」の想いを込めた名称です。品質の優れた製品と安定した納入、そして行き届いたサービスをお客様へ提供し、信頼に応えるために継続してきた誠実なものづくりは当社の強みです。この強みを継承し、さらに伸ばしてお客様の「期待を超える」企業へ成長したいと考えています。
ものづくりにおいては、「良いものを生産性よく作ることで収益はついてくる」というマインドから、「収益が出るように工夫して良い製品を作る」マインドに「再構築」していきます。原価低減、収益向上のための手段として生産性向上を活用する。賢い、高効率、素早い、そして素晴らしい「SMARTなものづくり」を目指し、活動を展開していきます。
また、売上が急拡大しているインド、および人材の流動性が高いアメリカにおいては、改めて人材育成の重要性を感じています。少子高齢化に伴いものづくり人口の減少が避けられない日本においても、担い手である海外からの労働人材の早期育成は類似した課題と言えます。現場の作業者、監督者、技能者などそれぞれの段階で当社が求める技能水準となるよう、ものづくり人材育成を推進しものづくりの底上げを図ります。
カーボンニュートラルに向けた活動においては、Scope1,2におけるCO2排出量:41%減(2013年度 比)を25-27中期経営計画(2025~27年度の3カ年中期経営計画)目標値として、再生可能エネルギーの活用、エネルギー転換、省エネ・効率化の3本柱での活動を積極的に推進します。25-27中期経営計画では「省エネで儲け、CO2削減活動をさらに加速させる」をキーワードに省エネ活動を積極的に進めることで再生エネルギーの活用やエネルギー転換に伴う投資・原価増の吸収を目指すとともにCO2排出量の削減活動を加速させます。また、電動車搭載部品売上比率の向上やCO2排出量の少ない合金地金の開発などからも地球 環境に貢献していきたいと考えております。
事業環境が激変する中、今後も10年ビジネスプランの実現と目標達成に向け、競争力・収益力の強化、財務体質の改善を進めてまいります。グループ一丸となって企業価値向上に努めてまいりますので、ステークホルダーの皆様の一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長 最高経営責任者 高橋 新一