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社長メッセージ

 

社長メッセージ

第2四半期の業績
 自動車産業に長らく影を落としていた半導体不足が年を追うごとに解消され、2023年にはほぼ影響がなくなりました。それに伴い、日本国内の自動車生産は整流化が進みました。北米における自動車の販売は引き続き好調です。中国においては2022年に大きく自動車販売が回復したものの急激な電気自動車の普及に伴い、日系・欧米系自動車メーカー各社では販売不振が続いています。当社の中国拠点においても、製品ポートフォリオを電気自動車中心へとシフトすることが急務と捉えています。総じて回復傾向にある市場環境に加えて、為替相場における円安基調等もあり、売上高は前年同期比16.9%増となりました。
 収益面においては、コロナ禍より推進してきた損益分岐点を意識したコスト構造改革が実を結んできました。製造工程での作業手順の改善、レイアウトや仕事分担の見直し、さらにからくりや自動化の活用により、1製品に携わる人員を最少化しています。加えて、当社グループで現有する設備の流用による投資の圧縮も図ってまいりました。これらの活動を通した損益分岐点の低下に売上高の増加もあり、当社グループの上半期の営業利益、経常利益、当期純利益ともに黒字を計上することができました。

「2224中期経営計画」の進捗
 「2040年ビジョン」の実現に向けたマイルストーンとして2030年を目標年度とする長期経営計画「10年ビジネスプラン」とこれを実現する事業戦略、財務戦略、人財戦略を定めています。これら3つの戦略のアクションプランとして「2224中期経営計画」を推進中です。「2224中期経営計画」においては、外部環境変化を踏まえた「電動車向け部品中心の事業ポートフォリオへの転換」が大きなテーマの1つです。現在、電動車搭載部品の割合は約19%です。30年度には55%まで増加させることを目標に、営業活動を展開しています。当社グループは、電気自動車市場の拡大が目覚ましい中国、拡大が期待される北米に工場を保有しています。この2大マーケットに品質の良い電動化部品を同時に、短納期で生産することでお客様のニーズに応え、25年度には約30%、26年度には36%と、引き続き計画通りに電動車搭載部品の売上比を伸ばしていく見込みです。


ダイカスト領域の拡大
 自動車車体系部品群のダイカスト化について、大きく2つの方向性で進めています。1つ目は、テスラやトヨタ自動車が採用している、超大型ダイカストマシンを用いたアンダーボディの一体化生産です。当社においても超大型ダイカスト製品に必要な技術の熟成、各社メーカーの開発への協力、アルミダイカストの採用時期の調査を継続しています。お客様の動向を見極め、導入の要否、時期、ロケーションを見定めていきます。2つ目は、鉄プレスやアルミプレスとダイカスト部品の最適な部位への使い分けによる、マルチマテリアルボディです。ダイカスト部品とプレス部品では受け持つべき機能が異なることから、これらをうまく組み合わせることで車体の機能向上・軽量化・環境負荷低減が実現できると考えています。2022年7月から開始した株式会社ジーテクトとの共同開発プロジェクトにおいては、コンセプト製品をお客様へ提案すべく開発を進めています。どの方向性においても、アルミダイカストと他の材料を接合する必要があり、異種材接合の関連技術、レーザーを用いた熱処理技術の開発を完了しています。複数の角度から、自動車におけるダイカスト領域の拡大に向け活動を進めています。

 事業環境が目まぐるしく変化しておりますが、引き続き企業価値向上に努めてまいります。
 ステークホルダーの皆様の一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役社長 最高執行責任者 高橋 新一